男性化粧品市場拡大
近年メンズコスメの需要が年々あがり市場が急激に成長。
富士経済のレポートでは昨年より1.4倍増加1175億円の売上をあげており後7年は平均1.5%づつ連続で増加傾向にあると見通してます。売上市場があがると自ずとマーケティング市場もあがる為まだまだいろんな大手メーカーが参戦、強化してくると思います。
国内ではスキンケア開発に莫大な費用をかける事でも知られる大手メーカー資生堂もメンズラインを強化。ポーラ・オルビスホールディングスなどがメンズコスメライン《FIVEISM×THREE》を立ち上げ現在80種類もの商品が発売されています。
昨年あの外資系ブランドCHANELが男性向けコスメライン《ボーイ・ドゥ・シャネル》を発売。体験出来るバーバーショップを阪急梅田で開催しました。ブースはバーバー=理容室をコンセプトに作られておりオシャレに関心のない男性も思わず足を止め手に取りやすい作りになっていました。
海外国内共に大人気のCHANELのコスメですが、実は94年の歴史市場メンズコスメラインは初登場です。
男性の自己投資がここ2〜3年で話題になり海外のアーティストやモデル、フランスのマクロン大統領すらも一日平均300ドル(約3万3000円)以上メイクに費やしていると言うのは有名です。
この背景にはSNSの普及があると言われており、FacebookやInstagramなど自撮り動画を世界に発信し共有出来る様になった事から第一印象を重視する男性が増え、1990年代以降生まれたジェネレーション世代に中性的な顔が流行し底上状態だと考えられます。
今アジアでは化粧品市場を圧倒する韓国・中国は男性向け化粧品は前年より50%も伸びEコマース運営会社の調査によると調査対象のうち6割強男性がスキンケア製品をオンラインで購入していると発表しています。
またここ最近少子高齢化がすすみ女性が社会に進出しやすい環境になり出産や育児をしながらも働きやすい環境づくりを心がける会社が増えその中で男女の格差をなくすと言う取り込みが多く行われています。同時にジェンダーレス=男女の境界をなくそうと訴える声が多くそれをSNSなどで発信出来る時代になり世界的にジェンダーレスファッションが大流行。海外セレブなども賛同し今注目を集めています。
いかに第一印象で自分らしさ、個性を出せるかが重要でその際一番手を出しやすい化粧品市場から上がって来ていると言う見方をする人もいます。
女性だからと言って女らしく見せる必要はないし男性だからと言って男らしさを他人の主観で決められる事はなく、自分の生き方を最大に主張できる時代に変換していく時期なのではと思います。
男性化粧品のニーズに変化
古代から化粧の習慣があったことは遺跡からの出土品にもその痕跡が残っています。
魔除けや神事のためなどの呪術的要素や、自分を強く見せる為など、実用的な意味があったようです。
平安時代大陸から化粧法が伝わると貴族階級の間で流行、化粧は地位や権力を象徴するものとし当時の役人貴族の中で大流行。今でいうファンデーションの元となる白粉は大変高価なものであった為地位がある役人しか買う事が出来なかったが戦の戦力の一つとして相手に顔色を悟られない様用いられていました。
世界では紀元前3000年のエジプト文化などでは当たり前んの事でエジプトという土地柄、非常に高温な太陽の日差しから目を保護する為だと言われています。
また、「穴が開いた所から悪魔が入る」という魔除けの為にも化粧は必須だと言われています。
ヨーロッパでも男性の文献や資料写真など男性が当時の技術でも美しく見えるのは化粧が流行していた為だと言われています。
逆に日本の男性はいつから化粧をしなくなったのか?
「近代化」の名のもとに、日本古来のものは一掃されました。その先人をきったのが明治天皇です。古代から続く白塗りの化粧をやめ、ヒゲと洋装で身なりを整えポーズをとって写真を撮りました。
身分の高い男性たちがこぞってこれを真似しお歯黒も旧弊なものとして禁止令が出され身なりを整える事はしても身なりを飾る事はあってはならないとしそれが過剰に伝わり身なりを飾ってる男性は女性っぽく軟弱だとされたのです。
時代は一周まわってまた戻って来たと言う所でしょうか。
これらの歴史から見ても見た目に気を配るというのはもはや男性の伝統と言えるでしょう。
メンズメイクが常識になる時代
2020年様々な価値観が求められるまさに変革が起きる時代が到来しました。今までの当たり前がなぜ当たり前なのか個人で考え行動する、また出来る時代です。SNS普及と同時に世界に目をむけ様々な人達と交流出来る環境になりました。海外では早くから固定概念に囚われない性多様性の認識運動が起こっており同時にメンズメイク市場も拡大していったと思われます。米国のAllied Market Researchの調査では、男性のパーソナルケア市場は2022年に1660億にのぼると予測されているらしく米国の調査会社によると、18〜22歳の男性40%近くがジェンダーレスな美容製品に関心を示しており、米国の男性回答者の56%以上が、少なくとも1回はフェイシャル化粧品の使用を行なっているという結果もでている。その証拠に多くのハイブランドがメンズラインを一斉に出して来ています。2020年は男性も女性も美のセンスが個性を引き出すと制作側も消費者もわかっている結果ではないでしょうか。